Story2

開発秘話

アグレッシブデザインにとって「現場」とは、アクティブに活動するアスリートがしのぎを削る場。そこでアスリートが求める機能、つまり「如何に身体的なパフォーマンスを上げるか?」というニーズを把握し、ウォンツを創造することが開発の礎(いしずえ)となっている。

─「現場」ではどんなニーズやウォンツがあるのか?

日焼け止めの開発が始まる。

身体一つで勝負するアスリート向け故にわずかなストレスもパフォーマンスに影響する。製品開発には細かな気遣いができる女性の視点が絶対に必要である。主にテクスチャー(使用感)や肌影響の分野を化粧品業界の業務経験がある女性スタッフが担当。

2014年シーズン

そしてノウハウが必要となる開発分野は長年WAKO’Sの製品開発に携わり自らも自転車に乗る男性スタッフが担当。

自身の身体も開発サンプルとし、会社の分析機器や商社からの情報なども最大限活用した。製品開発は主にこの2人が中心となって、当時国内トップの自転車プロチームと進めていくことになる。 (商品の裏書には敬意をこめてこのチーム名を記載している)

─ 尖った製品の誕生「2つのハードルと2つの決断」

 

日焼け止めに対して、「練習でドリンクボトル10本も消費するほどの大量の汗でも流れ落ちない」、また、「デリケートな肌でもヒリヒリしない」などの選手からの高い要望。これに応えるために試作品を作る日々。ところが、どんなに処方を検討して試作品を作っても、汗で流れてしまう…。自転車プロチームのメンバーが口をそろえて言う「市販のどんな日焼け止めを使っても流れてしまう」は、生半可なことでは解決できないことが分かった。

2015年シーズン

第1のハードル、「どれだけ汗をかいても流れない、塗り直しが必要ないこと」。そして決断。

日焼け止めだけを考えていたので、当然のように「普通に落とせるもの」で検討していた。汗と一緒に流れる皮脂の成分の一つである脂肪酸は石けんの主成分と性質が似ている。つまり、石鹸でも落とせる製品は大量の汗をかくと流れてしまう。

これはどんなに努力しても、石鹸で簡単に落とせる成分を使う限り解決することはできない。考え抜いた末、石鹸で手軽に落とせる利便性を捨てて、「大量の汗でも流れない」という製品特長を際立たせる決断をする。
こうしてどれだけ汗をかいても流れない製品のベースが出来上がった。ところが、自信をもってテストに出したが「皮膚呼吸ができない」・「息苦しくてパフォーマンスが低下する」などのレビューの数々。これは「汗が外に出ない」ことが原因だった。
第2のハードル、「汗をどのように外に出すか」に取り組むことになった。

ここで活きたのがWAKO’Sの工業用製品のノウハウだった。社内に蓄積された技術を応用することで、汗で流れる問題よりも短い期間でクリアすることができた。グリースやコーティング剤、錆止め剤を開発しているからこその成功だった。
(これに関しては、非常にデリケートなノウハウであるため、ここでの記載は控えさせていただく)

それと並行して、女性スタッフは自転車競技とは全く縁がなかったが、選手たちと密にコミュニケーションを取り続け、次第に信用を得ていく。
そして「人体に直接使用するからこそ」女性の視点からテクスチャー(使用感)や肌への優しさを徹底的にこだわり、ハンドルバーやブレーキレバーの滑り止め機能をも持ち合わせた、肌の弱い選手たちも使用できる納得の製品に仕上げた。

これは「要望に徹底的に応えたい」という開発スタッフのこだわりの賜物である。

第2の決断、「全てにおいて安全性が優先される」

製品の開発途中で特に印象深いエピソードが、「数値と発売時期を取るか、安全を取るか」という選択を迫られた局面だった。試作品に使っている紫外線防止に関わる成分の「オクトクリレン」に、シップ薬に含まれる成分と反応し光線過敏症を重篤化させる可能性があることが分かった。アスリートにとってシップ薬は身近なのものである。

この報告が上がってきた時点では、ほぼ処方が確定しており、変更すれば商品の発売時期が少なくとも半年以上延びることになる。日焼け止めシーズンを逃せば1年を棒に振ってしまう。また、この成分を使用しなければSPF値が低くなるのは分かっていた。日焼け止めにとってSPF値は機能を表す重要な指標。「製品化する以上、他よりも高い水準で発売するのが和光ケミカル」という開発ポリシーであるが、人体への安全性を最優先に考え、発売時期を延ばして最終確定まで進めてきた処方の変更を決断する。

数値へのこだわりは技術者として重要なものである。が、比較のための指標としての数値よりも、使用者のメリットや満足に繋がる製品であるべきと考えた。
日本ではSPF値が50を超えれば一律SPF50+と表示される。市販品には実際の数値として68や75などのものが少なくないが、皆2~3時間ごとの塗り直しを推奨している。開発品のSPF値はギリギリ50+を確保したもののそれらからは見劣りする。しかし、塗り直せないシチュエーションでは圧倒的に勝算はある。併せて、トップアスリートにドーピングの心配をさせないために、原料一つ一つドーピング懸念物質が入っていないこと、製造過程でも入る可能性がないことの確認も怠らなかった。

こうして、トップアスリートが流す大量の汗をしっかり外に出し、しかも塗り直し不要、またシップ薬の使用やドーピングの心配、手の滑りさえも気にする必要がない、超アスリート向け日焼け止め、「アグレッシブデザイン トップアスリートサンプロテクト “ファイター”」が誕生した。

Waterproof Cleansing Oilの初期モデル

fighterの初期モデル

このサンプルから開発がスタートした

─ 石鹸で落とせないからこそのクレンジングオイルの価値

 

「石鹸で落とす」という利便性を捨てた時から、すぐにクレンジングオイルの検討は始まった。選手たちの要望は、「肌に負担がかからない。これ一つで手間がかからずワンステップで全ての洗浄ができる」ということ。ベースとして求めるのは特別な機能ではないので、プロのメイクアップアーティストの間で評判が良い製品をベンチマークにした。多くの性能要素がある中、どこにバランスを取るのかが肝になってくる。ここでも先の女性スタッフが大活躍した。

 

大量の汗や水でも流れ落ちることがない強力な日焼け止めですら、肌に負担をかけずに落とすクレンジングオイルの性能は、高い乳化技術によるところが大きい。安価に大量生産するには一般的に界面活性剤を多く使用するが、高い乳化技術により最小限の使用に抑えることが出来た。そして、ダブル洗顔なしでもウォータープルーフタイプのメイクもしっかり落とせて、必要以上に皮脂を落とさず、最後に保湿成分が残るという、ワンステップのクレンジングが誕生した。

 

徹底的に現場のニーズを吸い上げ欲求に応えること、業務用ケミカルメーカーとしてプロを相手に勝負してきた技術が融合したからこそ生まれたのが、アグレッシブデザインの製品なのである。


技術の粋を集めたスタートアップ商品

Top Athlete Sun Protect ''Fighter''
サンプロテクト ファイター

詳細はこちら

Waterproof Cleansing Oil
クレンジングオイル

詳細はこちら

ページトップ